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耐震構造と免震構造
2024年08月28日
こんにちは、京都の長岡京市で
自然素材と高気密高断熱の家を建てている
能見工務店の能見です。よろしくお願いします。
情報過多の中、様々な情報が溢れかえって
います。発信される情報というのは、
なにかしら配信者の思惑が入って発信されます。
今日は、
【耐震構造と免震構造】
について書きたいと思います。
日本は世界一の木造建築技術が有りました。
世界最古の木造建築は、法隆寺。これは皆さん
知っていると思いますが実は、最古の木造建築
TOP10は全て日本の建築物なんです。
また一度調べてみて下さい。
現在の木造住宅は、基本的に耐震構造になって
いて、耐力壁や筋交と金物を使って家を
揺れなくする構造になっています。
家の強度の度合いを等級1~3で表し、
耐震等級3が一番強い値になります。
耐震等級1とは、震度6~7の阪神淡路大震災や
熊本地震でも倒壊しないレベルです。耐震等級3
は耐震等級1の1.5倍の強さと言われていますが
よくわからないですよね。要は震度7の地震の
1.5倍の地震でも倒れないという事です。消防署や
警察署はこの基準で建てられます。それとは別に
冒頭で書いた法隆寺等の構造である免震構造の
建物もあります。免震構造は読んで字のごとく
揺れをまぬかれると書きます。揺れを吸収する
ことで揺れを小さくします。今日はこの二つの
構造について書いていきます。
耐震構造:先ほども言いましたが、最近建つ
家はほとんどこの耐震構造になります。
メリットは
・一定の揺れまでは耐えて、倒壊を防いでくれる
・どこの建築会社でも建築可能
・地震保険の割引がある
デメリットは、
・一定以上の力が加わると倒れてしまう
・倒壊せずに傾いた時の修繕が大変
などです。傾いた時は、一度外壁を全て撤去して
骨組みだけにしないと補修ができないので、修繕
は大変になります。また、金物や耐力壁の合板で
耐力を取っている為、金物のビスや合板を打ち
付けている釘が浮き上がると当初の計算通りの
力を発揮することが出来なくなり繰り返しの
地震に弱いという一面があります。但し、
実際に熊本地震では2回の震度7でも倒壊しな
かったという事実があります。
免震構造:これは、主に神社仏閣や田舎建ての
家の構造で使われてきました。筋交や耐力壁に
合板を釘で打ち付ける代わりに、柱と柱を貫と
いう部材でつなぎその中に土を塗って仕上げると
いうもの。地震で家が揺れると塗った土が力を
吸収して剥がれるという仕組みになっています。
メリットは
・補修や修復が割と簡単
・繰り返しの地震に強い
・家具の使いが少ない
デメリットは
・施工できる工務店や住宅会社が少ない
・建築費用と工期がかかる
などです。骨組みの損傷がしにくく、釘や金物で
固定しないので家が傾いても割と簡単に修復する
ことができ繰り返しの地震に強いのが特徴的です。
理想ですが建築費用と工期がかかると言う点では
で中々手が出せないのでは無いでしょうか。
最近は、積層ゴムや免振ダンパー、制振ダンパー
などの部材を取り付けることで免震構造と同等
レベルの構造にしたりすることもできるので
そちらも検討したらいいかと思います。
ちなみに究極の免震構造の建物は歴史が証明して
くれているのではないでしょうか。私が携わる
祇園祭の鉾や世界で一番古い木造の法隆寺などは
揺れることで倒壊しないのです。これを考えた
私たちの先祖は本当に凄いですね。
それぞれの特徴を知り理想と現実の中、自分たち
は何を選ぶのかを決めればいいかと思います。
結論:耐震構造の場合は等級3が必須です!!
免震ダンパーも効果は大きいですが、金物の
補強は付けた時が強く時間とともに強度は劣化
してくることも知っておこう。金物を使わない
免震構造は予算と時間が必要ですが、経年劣化は
少ないのでお勧めです!!
200円から300万円は余分に費用が掛りますが。
耐震と免震、厳密には制震を一言でいうと
耐震:地震に耐える構造
免震:地震を免れる構造
制震:地震を制する構造
という感じです。
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに
アドバイスをもらいながら進めて
後悔しない家づくりを実現して下さい。
この情報が皆様の役に立てば幸いです。
次回は今ちょうど刻んでいるので
【プレカットと手刻みの違い】
について書きたいと思います。
長い文章を最後まで読んで頂き
ありがとうございました。
今年も残り126日。頑張っていきましょう。
YouTubeでも様々な情報を配信もしていますので
そちらも機会があればご覧ください。
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
能見太郎