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安く買ったのに高くつく土地の例①
2025年06月04日
こんにちは、能見工務店の能見です。
能見工務店は京都の長岡京市で木と自然素材を
ふんだんに使い高気密高断熱で高性能な家を
建てています。よろしくお願いします。
情報が溢れる中、発信されている情報は配信者の
思惑が入って発信されています。ちなみにこの
ブログは自然素材と高性能住宅を大切にしている
能見の視点で、家づくりに役立つ情報をお届け
しています。このブログも例外ではありませんが
そういう見方もあるんだな、と参考にして下さい。
誰もが「安くて立地のいい土地」を探します。
しかし、実際には早い者勝ちで、最も早く買う
意思を示した人に購入の権利が与えられるという
激しい競争の世界です。今日はこれまで土地
探しをしてきた経験と、家を建ててきた経験から
【安く買ったのに高くつく土地の例①】
について書きたいと思います。
土地を見るときには、
特に以下の3つに注意してください
①擁壁に囲まれた土地
②隣の土地と高低差がある土地
③一つの土地を区画割りされた土地
の3つについて
一つずつ詳しく説明していきたいと思います。
まず、①ですが擁壁に囲まれた土地で特に注意が
必要なのは、擁壁の高さが2m以下の場合です。
擁壁が2mを超える時は確認申請が必要で構造
計算も行われますが、2m以下の場合は建築
基準法の規制を受けず、確認申請も構造計算も
されていなっケースがほとんどです。
このような擁壁は、検査済証がないため安全を
確認できる擁壁とみなされません。なので、擁壁
ギリギリに家を建てることができず、擁壁の一番
低い部分から30度の角度(=安息角)で延長して
きた所まで家を下げる必要があります。
※安息角(あんそくかく)とは、土が自然に崩れない最大の傾き角度のこと
でもそれでは家の配置が成り立たないこともあり
安全を確認できる部分まで深い基礎工事をする
必要が出てきます。深さによって150万~200万
ほど余分にかかることもあります。その反対に、
検査済証があって安全が確認されている擁壁の
場合、その部分に余分な費用が発生しないですが
切土をして擁壁をしている場合と違い擁壁をして
土を盛っている盛り土の場合は地盤が弱く地盤
改良が必要になる可能性が高くなります。
この場合も、100万~150万円程度の追加費用が
発生する可能性があります。
続いて②、高低差のある土地についてです。
基本は、①の擁壁の場合と同じで高低差があると
深い基礎工事をする必要が出てくるのです。
例えば、
・隣地が低い場合や横に水路がある場合:
水路の一番低い部分から30度の角度(安息角)
で延長してきた所まで家を下げるか深基礎が必要。
・隣地が高く、自分の土地が低い場合:
一番高いところから30度の角度(安息角)で
延長してきた所まで家を下げるか、その部分まで
擁壁を設置する必要があります。場合によっては
基礎の強度を上げて擁壁と兼用にもできますが
どちらも200万~300万かかることもあります。
・前面道路と高低差、坂道に面している場合:
上記と同様、深い基礎が必要になってくる場合が
多くなります。また前面道路との高低差が
40cm以上ある場合、家に上がるための
階段を作る費用や駐車場部分の土を捨てる
残土費用などで外構工事に費用が掛かってくる
ことが想定されます。
③の区画割りされた土地や新しい造成地も
要注意です。これらの土地では、水道や下水の
引き込みがされていない場合があります。
特に、一つの土地を二つに分割して販売している
ケースでは、水道・下水の引き込みがあるほうの
土地を購入することをおすすめします。引き込み
工事が必要になると、150万~200万円程度の
費用が別途かかってきます。
ここに挙げたのは一部の事例ですが、安いからと
飛びつく前にある程度知識があれば想定できる
こともあるので、それを見越した上で土地の
購入を検討すると予算的にも安心ですね。
【結論】こういう土地は要注意!!
・擁壁に囲まれた土地
・隣の土地と高低差がある土地
・水路が隣にあったり水路橋がある土地
・前面道路と40cm以上の高低差がある土地
・前面道路が坂になっている土地
・区画割された土地や新しい土地
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに
アドバイスをもらいながら進めて
納得した家づくりを実現して下さい。
この情報が皆様の役に立てば幸いです。
次回は、土地自身にかかる費用ではなく
その土地だからこそ建築費用がかさむケース
【安く買ったのに高くつく土地の例②】
について書きたいと思います。
長い文章を最後まで読んで頂きありがとう
ございました。YouTubeでも様々な情報を
配信していますのでそちらもご覧ください。
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
能見太郎