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安く買ったのに高くつく土地の例⓶
2025年06月11日
こんにちは、能見工務店の能見です。
能見工務店は京都の長岡京市で木と自然素材を
ふんだんに使い高気密高断熱で高性能な家を
建てています。よろしくお願いします。
情報が溢れる中、発信されている情報は配信者の
思惑が入って発信されています。ちなみにこの
ブログは自然素材と高性能住宅を大切にしている
能見の視点で、家づくりに役立つ情報をお届け
しています。このブログも例外ではありませんが
そういう見方もあるんだな、と参考にして下さい。
今日は、先週に引き続き
【安く買ったのに高くつく土地の例⓶】
について書きたいと思います。
先週は、土地の条件や特性によって
「家のベース部分に費用がかかってしまう」と
いう話をしました。今回は視点を変えて、土地の
“形”によって建築費用が上がるケースについて
話をしていきたいと思います。
建築費用が上がる土地①:間口が狭く奥行きが長い土地
間口が狭く奥行きが長い土地には、
細長い家しか建ちませんよね。細長い家の何が
ダメなのでしょうか。それは、同じ床面積の家
にも関わらず家の表面積が大きくなるという闇が
あるのです。わかりやすく2つの
パターンで説明させていただきます。
Aの家:間口10m×奥行10m(=100㎡)
Bの家:間口2m×奥行50m(=100㎡)
どちらも同じ床面積ですが、外壁面積を計算
するとこうなります(高さ6mと仮定)
Aの家:(10m×6m×2面)+(10m×6m×2面)
Bの家:(2m×6m×2面)+(50m×6m×2面)
になります。この合計を比べると
Aの家は240㎡でBの家は624㎡と同じ
大きさの家にもかかわらず外壁の面積が
2.5倍Bの方が多くなるのです。そうなると
自然と材料費も増えてしまうのは一目瞭然です
よね。家は、できる限り真四角で建てると
費用を安くすることができます。
建築費用が上がる土地②:土地の廻りに何もない
通常、お隣さんとの境界にはブロックやフェンス
生け垣が設置されています。しかし、それが全く
ない土地の場合、境界を仕切るための外構工事に
費用がかかってしまう可能性があります。資金
計画する時にしっかり予算取りをしましょう。
建築費用が上がる土地③:三角形や旗竿地の土地
三角形の土地にできるだけ広く家を建てようと
すると、建物の形がデコボコになって、
出っ張りや引っ込みが沢山できてしまいます。
そうなると、そのぶん柱の数が増えたり、外壁の
材料も多く必要になったりして、建築費用が高く
なってしまいます。また、旗竿地は通路部分の
外構工事に費用が掛かるケースがあります。但し
こういった土地は価格が安めに設定されている
ことが多いため、条件と費用のバランス次第で
良い買い物になる可能性もあります。
建築費用が上がる土地④:防火・準防火地域
建築基準法による防火上の制限があります。
防火地域、準防火地域、法22条区域の大きく
3種類あります。防火地域は官公庁や主要
ターミナル周辺など重要施設が集中する地域に
指定されます。京都では、準防火地域が非常に
多い地域になります。この場合、建物を耐火建築
や準耐火建築で建てる必要があり、
・天井・壁の下地材に強化ボードを使用(石膏ボードより高価)
・窓には防火シャッターやワイヤー入りガラス
・換気設備はすべて防火ダンパー付き
・電気のスイッチやコンセントも耐火ボックスを使用
などと費用が大きくかさんできますので、土地を
選ぶ時はできる限り法22条区域の土地を選びたい
ものです。とはいえ耐火性能が高い家は火災保険が
3〜5割ほど安くなるというメリットもあります。
【結論】購入する土地によって建てられる家の形や
建築費用が大きく変わります。
「土地は安かったけど、家の費用が高くついた…」
ということがないように、整形地・高低差のない
土地を選ぶのが理想ですね。
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに
アドバイスをもらいながら進めて
納得した家づくりを実現して下さい。
この情報が皆様の役に立てば幸いです。
次回は
【プレカットの良し悪し】
について書きたいと思います。
長い文章を最後まで読んで頂きありがとう
ございました。YouTubeでも様々な情報を
配信していますのでそちらもご覧ください。
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
能見太郎