ブログ

太陽光パネルは付ける?付けない?

2025年08月13日

ブログ一覧戻る

こんにちは、能見工務店の能見です。

能見工務店は京都の長岡京市で木と自然素材を

ふんだんに使い高気密高断熱で高性能な家を

建てています。よろしくお願いします。





 
情報が溢れる中、発信されている情報は配信者の

思惑が入って発信されています。ちなみにこの

ブログは自然素材と高性能住宅を大切にしている

能見の視点で、家づくりに役立つ情報をお届け

しています。このブログも例外ではありませんが

そういう見方もあるんだな、と参考にして下さい。





 
こないだお客様から太陽光パネルは付けた方が

得なのかどうかということを質問頂きました。

そこで、今日は具体的な数字を入れながら

【太陽光パネルは付ける?付けない?】

について書きたいと思います。





 
最近、太陽光パネルを検討される方が増えた背景

には光熱費の値上がりが大きくあります。

国際情勢や為替などによりエネルギー価格は

上がる一方。冷静に考えて私が10代だった

時のガソリン価格がレギュラー78/ℓなんて

時代はもう来ないと思います。電気代もここ

数年で相当上がりましたね。今後も安くなる

見通しは立っていません。





 
一概に太陽光パネルは得だって話が多いですが、

先に付けるメリットとデメリットをしっかり

把握しておいてください。





 
●太陽光パネルのメリット

・電気代削減:発電した電気を自家消費する

ことで、昼間の買電が減ります。自家消費率が

高いほど削減効果は大きくなりますが、昼間

あまり家にいないという方は売電がメインに

なってきます。





 
・売電収入:売電価格は15/kWh2025年現在)

2009年は48/kWhでした。但し、この時代は

パネル自体の値段も現在の3倍くらいしていたので

売電で元が取れるという1012年という年数は

昔から変わっていません。





 
・災害時の安心:災害時の安心ということを

言われて少し誤解されている方も多いのですが、

実際はコンセント一つ分(1500W)だけが発電

した電気で使える程度なんです。しかも昼間の

発電している時だけ。無いよりはいいですが災害

時は蓄電池の併用をお勧めします。





 
●太陽光パネルのデメリット

・初期費用:どうしても初期費用が掛かって

きます。弊社では大体220,000/kWほどに

なります。後からつける場合は、足場費用や配線

費用が必要になるので50万円ほど余分にかかる

ので要注意です。





 
・パネルの重量:家の屋根が重たくなり構造計算

する上で不利になります。その分梁の大きさが

大きくなったり柱の本数が増えたり見えない

費用の増加があります。





 
・メンテナンス費用:通常のメンテナンスは必要

ありませんが1015年で壊れるといわれている

パワコンの交換費用が必要になってきます。

交換費用は2530万円は必要になると思います。





 
メリット・デメリットは大きくこんなところで、

自分にとってのデメリットをメリットが上回った

らつけるのがいいと思います。これまでは、私は

太陽光パネルを勧めていませんでしたが電気代の

値上がりと一昔前に比べて、太陽光パネルの

値段が安くなったことで最近は勧めるように

なりました。では、実際に具体的な数字で何が

どうお得でどのくらいで元が取れるのかについて

書いていきます。





 
????パネル設置時の試算
【条件まとめ】
・太陽光発電容量:6.6kW
・年間発電量:7,519kWh
・年間電気使用量:4,900kWh
・電気購入価格(買電):35.8/kWh
・売電価格:15/kWh
・太陽光初期費用:1,452,000

とすると

・電気購入費の節約=自家消費量×買電価格
= 4,900×35.8=175,420
・売電収入=売電量×売電価格
= 2,619×15
=39,285
・合計年間メリット
= 175,420+39,285=214,705

で約6.8年で元が取れる計算になります。


 
ただしこの場合、発電した電気を全て自家消費
する計算になっているので現実的に自家消費
電力を6割で計算してみると

・自家消費分:4,900×0.6=2,940kWh
・買電分:4,900×0.4 =1,960kWh
・買電節約分=2,940×35.8=105,252
・売電収入=4,579×15=68,685
・電力会社からの買電費用=1,960×35.8=70,168
・買電節約分+売電収入-買電費用
105,252+68,685-70,168=103,769

で約14年で元が取れる計算になります。もっと

早く元が取れるような説明をする業者もいますが

冷静に見ていきましょうね。ただし、これから

光熱費は上がっていきます。

そこも含めて考えましょう。





 
一点、注意して欲しいのが最近よくお薦めに

出てくるおひさまエコキュート。確かに電気代を

下げるのに昼に発電した電気でお湯を沸かすのは

いいと思うのですが、メンテナンス費用も含めて

考えたいものです。詳しくは過去のブログ

240724を読んでいただければいいのですが、

壊れる年数は給湯器もエコキュートもそこまで

年数変わりませんが費用が4050万円ほど

エコキュートの方が高くなります。電気代で

それ以上の元が取れるようであればいいのですが

また今度で計算してみようかな。





 
【結論】電気は買う時代から作る時代へ!!

現在で売って15/kWh。買って約35/kWh

エネルギ価格や電力不足により値上がりする

電気代の自家消費率を増やせば増やすほど早く

元が取れます。また、光熱費がかからない

高性能な省エネ住宅との組み合わせで効果は

さらに大きくなります。





 
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに

アドバイスをもらいながら進めて

納得した家づくりを実現して下さい。

この情報が皆様の役に立てば幸いです。



 
次回は

【建築費だけじゃない!家づくりでかかるお金】

について書きたいと思います。



 
長い文章を最後まで読んで頂きありがとう

ございました。YouTubeでも様々な情報を

配信していますのでそちらもご覧ください。


  
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
    能見太郎

おすすめブログ記事