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基礎の中に水が溜まっているの大丈夫?
2025年09月03日
こんにちは、能見工務店の能見です。
能見工務店は京都の長岡京市で木と自然素材を
ふんだんに使い高気密高断熱で高性能な家を
建てています。よろしくお願いします。
情報が溢れる中、発信されている情報は配信者の
思惑が入って発信されています。ちなみにこの
ブログは自然素材と高性能住宅を大切にしている
能見の視点で、家づくりに役立つ情報をお届け
しています。このブログも例外ではありませんが
そういう見方もあるんだな、と参考にして下さい。
現在進めている新築工事では、お盆明けに基礎
工事が終わり、大工の刻みもほぼ完了。
9/9から土台を据えて建て方に入る予定です。
そんな中、施主様からこんなご質問を頂きました。
「基礎に水が溜まっているの大丈夫ですか?」
建築に携わる私からすると「よくあること」で、
特に問題はありません。しかし施主様にとっては
人生で一度きりの大きな買い物。ちょっとした
ことでも不安になるのは当然だと思います。
そこで今日は、
【基礎の中に水が溜まっているの大丈夫?】
について書きたいと思います。
????基礎に水が溜まるのは自然なこと
基礎工事が終わった段階では、まだ屋根も壁も
ありません。雨が降れば当然、基礎の中に水が
溜まります。コンクリートは水に強い素材なので
短期間水が溜まったからといって劣化したり
強度が落ちたりすることはありません。
????むしろ安心していい理由
基礎コンクリートは「水に弱い」のではなく、
むしろ「水と仲が良い」材料です。
コンクリートは水と化学反応(水和反応)を
起こして硬化します。そのため打設後はある程度
水分がある方がむしろ強度の発現に良い影響を
与えます。基礎コンクリートは見た目が乾いて
いても、内部からは約2年間にわたって水蒸気を
放出し続けます。1年目は特に多く、30坪の家で
1日約9ℓ、最終的に約2tもの水分が蒸散するの
です。ですので一時的に水が溜まることは自然な
現象であり、心配する必要はありません。
????水はどうやって処理するのか
工事の流れの中で、水はそのまま蒸発したり、
大工が入る前にポンプで汲み出すなどして
処理します。基礎の中に水が残ったまま建物を
建てることはありませんのでご安心ください。
????実は水抜き穴をつくっている建築会社が多い
大概の建築会社は、基礎に水抜き穴をあえて
つくっています。理由はシンプルで基礎に溜った
水を抜く手間を省くためと、屋根ができる前に
床の断熱材を入れて床下地を張ってしまうから
です。その後に雨が降り、床下に水が入ったとき
に抜けるようにするためです。
????弊社が水が溜る基礎をつくる理由
しかし実際には、床を先に塞いでしまうと、
一度水が入ればなかなか乾かず、穴から水が
抜けきらないケースが多いです。結果として
床下が湿気、カビの原因になります。さらに
最近は住宅の気密性能を高めることが重視されて
います。それなのに、わざわざ穴をあけてしまう
のは本末転倒だと私は考えています。
能見工務店では、屋根と外壁下地ができて雨が
入らなくなってから、基礎の上に水道配管やガス
配管をし、床断熱材を入れ床下地を施工します。
一部の会社は「粘着性のあるビニールシートを
張る」など工夫をしますが、完全に水を防げる
わけではありません。これは施工性や工期短縮を
優先した方法であり、住む人のためではない
のです。私が知る限り、この方法(棟上げまで
1階の床を張らない)を実践している会社は
ほとんどありません。もしあれば、ぜひ教えて
いただきたいです。
【結論】基礎に水が溜まることは自然なことで
心配はいりません。ただし「施工性のため」に
つくられた水抜き穴は、住む人の安心や快適性を
損なう可能性があります。要は、
「誰のためにどんな家を建てるのか?」
ということではないでしょうか。
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに
アドバイスをもらいながら進めて
納得した家づくりを実現して下さい。
この情報が皆様の役に立てば幸いです。
次回は
【高気密高断熱の家と床暖房】
について書きたいと思います。
長い文章を最後まで読んで頂きありがとう
ございました。YouTubeでも様々な情報を
配信していますのでそちらもご覧ください。
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
能見太郎