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高気密高断熱の家と床暖房
2025年09月10日
こんにちは、能見工務店の能見です。
能見工務店は京都の長岡京市で木と自然素材を
ふんだんに使い高気密高断熱で高性能な家を
建てています。よろしくお願いします。
情報が溢れる中、発信されている情報は配信者の
思惑が入って発信されています。ちなみにこの
ブログは自然素材と高性能住宅を大切にしている
能見の視点で、家づくりに役立つ情報をお届け
しています。このブログも例外ではありませんが
そういう見方もあるんだな、と参考にして下さい。
ようやく秋になりましたが、まだまだ残暑厳しい
ですよね。これから秋になって冬を迎えると
床暖房の相談を受けるようになってきます。
「床暖房は必要なの?」これからの高性能な家に
限っては、私は「必要ない」という派です。
どういう理由で必要ないのかという話をもとに
今日は、【高気密高断熱の家と床暖房】
について書きたいと思います。
「床暖房があれば冬も快適」そう考える方は
今でも多いですが、実際に高気密高断熱の家に
住まわれた方からは
「床暖房がなくても全然寒くない」という声を
よく聞きます。ではなぜ、床暖房が
“必ずしも必要ではなくなった”のでしょうか?
????床暖房が人気だった理由
従来の住宅は、断熱材が薄く、窓の性能も低く、
さらにすき間風が入っていました。床下の冷気や
外壁からの熱損失で、室内の温度が安定せず、
特に足元の冷えが大きな問題でした。また、風を
感じずに部屋が温まるというのも快適に感じる所
でした。その解決策として
「床を暖めてしまえば快適」という発想で
生まれたのが床暖房です。つまり、床暖房は
“住宅性能が低かった時代の対症療法”だった
ように思います。
????高気密高断熱の家になったことでの変化
実は足元が冷える一番の原因は「床」ではなく
「窓」なんです。冬の熱損失のうち、約6割以上
は窓から失われています。特に昔の家では単板
ガラスで性能が低すぎました。冬に足元が寒いと
いうのは、部屋で暖房を付けてもせっかく
温まった空気が窓で冷やされて、冷気が降りて
きて足元が冷えるというコールドドラフト現象が
起きているのです。でも今の高性能な住宅では、
・樹脂サッシ+複層ガラスやトリプルガラス
・断熱材の強化
・気密性能(C値)の向上
これらによって家全体が魔法瓶のように熱を
逃がさず、床も外気に引っ張られにくくなって
います。結果として、室内の温度は均一に保たれ
床自体も自然に暖かいのです。
????床暖房のデメリット
一見すると快適そうな床暖房ですが、次のような
デメリットがあります。
・耐久性の問題
20-30年後に故障すれば床を剥がして修理が必要。
床をすべてはがさないと入れ替えや補修が
できないため、ほとんどのご家庭で使えなく
なった床暖房をそのまま放置しているのを
たくさん見てきました。
・ランニングコストが高い
部屋全体を温めるためには多くのエネルギーが
必要。特に電気・ガス代が高騰している今は
光熱費の負担が大きくなります。
・初期費用の負担
床暖房を設置する場合は「床暖房用の給湯器」が
必要になります。この機器は通常の給湯器より
費用が高く、10〜15年が平均寿命の機器。
できるだけ交換費用は抑えたいものですね。
????高性能住宅の家の現状
高気密高断熱の家では、間取りを工夫すれば
小さなエアコン1台で家全体を快適にできます。
その理由は、
・熱が逃げないため少ないエネルギーで暖まる
・室内の温度ムラが少なく、どの部屋でも快適
・輻射冷却が抑えられ足元の冷えがなくなる
実際に当社で建てられたお客様からも
「足元が冷えない」「素足で快適に過ごせる」と
いう声をいただいています。
【結論】床暖房は、かつては必要でしたが、
今の高気密高断熱の住宅では必要ないです!!
むしろ、コストをかけるなら「床暖房」より
「断熱・気密性能」に投資する方が快適で長持ち
する家になります。あくまで私の私見ですが、、、
でも少しでも興味を持った方はぜひ一度、
完成見学会に出向いて
“夏でも涼しい家”や“床暖房なしでも暖かい家”
を体感してみてください。
きっとびっくりするはずです。
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに
アドバイスをもらいながら進めて
納得した家づくりを実現して下さい。
この情報が皆様の役に立てば幸いです。
次回は
【ウッドデッキにペンキや高い木を使う必要がない理由】
について書きたいと思います。
長い文章を最後まで読んで頂きありがとう
ございました。YouTubeでも様々な情報を
配信していますのでそちらもご覧ください。
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
能見太郎