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棟上げで雨が降って木が濡れた

2025年09月24日

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こんにちは、能見工務店の能見です。

能見工務店は京都の長岡京市で木と自然素材を

ふんだんに使い高気密高断熱で高性能な家を

建てています。よろしくお願いします。





 
情報が溢れる中、発信されている情報は配信者の

思惑が入って発信されています。ちなみにこの

ブログは自然素材と高性能住宅を大切にしている

能見の視点で、家づくりに役立つ情報をお届け

しています。このブログも例外ではありませんが

そういう見方もあるんだな、と参考にして下さい。





 
今日は、先日の棟上げで雨が降りました。

いつもは雨予報の時は延期をするのですが、

天気予報では曇り。悩みに悩んで宵建てして

棟上げを含め二日間かけて建てました。しかし、

昼から予報に反し雨が降り出してしまいました。

二日間通して結構な雨が降ったので施主様は木が

濡れて大丈夫かとても心配なさっていました。

そこで今日は、そんな方も多いと思い

【棟上げで雨が降って木が濡れた】

について書きたいと思います。





 
????木は濡れても大丈夫なのか?

家を建てるとき、「木が雨に濡れてしまって

大丈夫ですか?」と心配されることは少なくあり

ません。特に棟上げの日は屋根がまだ掛かって

いないため、どうしても天候の影響を受けて

しまいます。どの建築会社も天気を気にしながら

予定を組むのですが、完全に木を濡らさないのは

至難の業です。では実際、木は雨に濡れると

どうなるのでしょうか。結論から言うと、

一時的に雨に濡れた程度では問題ありません

その理由は、木は使う前にしっかり乾燥させて、

木の癖を取ります。一度、よく乾燥させた木は

表面だけが濡れるだけで、中まで水分を吸い込む

ことはありません。表面についた水分は風に

当ればすぐに乾きます。

但し、木の小口(木を切った断面)は、木の

繊維の切れ目にあたり水をとても吸いやすいので

「小口」に直接雨がかからないよう養生をしたり

「小口」から水がしみ込み続けるような状態に

ならないように注意が必要です。





 
????そもそも木はなぜ腐るのか?

ここで大事なのは「木が濡れる=腐る」ではない

ということです。木が腐る本当の原因は、

常に湿気が多い状態が続くことです。湿った木の

表面に「木材腐朽菌」という菌が繁殖しやすく

それが木の細胞を分解してしまいます。さらに

湿気を好むシロアリにとっても格好の環境になり

ます。つまり、木は「濡れることそのもの」では

なく「乾かないこと」が問題なのです。

逆に言えば、雨で濡れたとしてもその後しっかり

乾かせば腐ることはありません。山に立っている

木を思い浮かべてください。雨や雪に何度も

さらされていますが、それだけで腐ることはあり

ませんよね。乾湿を繰り返すことで強さを保って

いるのです。建築材として使う木も同じで

乾燥管理と施工時の配慮があれば安心です。





 
????能見工務店が注意していること

もちろん「濡れても大丈夫!!」

と言ってもできる限り良い状態を保つために

次のような工夫をしています。



・シート養生をする:棟上げ後に雨が予想

されるときは、ブルーシートで覆って雨が

直接当たらないようにします。



・風を通して乾燥させる:濡れた場合には

風を通し、木材がすぐ乾くようにします。

乾けば腐ることはありません。



・施工の順番を工夫する:多くの建築会社は

作業効率を優先して、棟上げ前に一階の床に

断熱材を入れて下地の合板を張ってしまいます。

ところがこれをすると、床下に水が入り込んだ

ときに乾きにくく湿気がこもる原因になります。

だから能見工務店では、完全に雨が入らない

状態になるまでは床下地は張りません。


 
こうした対応により、木材は一時的に濡れても

すぐ乾き、構造への影響は出ません。





 
????木と正しく付き合うことが大切

木の家は自然素材の家です。自然素材だからこそ

雨や湿気とどう向き合うかが大切になります。

「濡れたら終わり」ではなく、木の性質を理解し

乾かすこと、湿気をこもらせないことに注意する

ことが大事です。木は呼吸する素材なので正しく

扱えば長持ちします。だって奈良の法隆寺なんて
世界最古の木造建築で築1400年なんです。
 
凄いです。弊社は市場で丸太梁を買って自然乾燥

させているんですが、一番古い物で10年物。

法隆寺と比べると全然だめですね()





  
【結論】

棟上げで雨が降り、木が濡れてしまうことはあり

ます。しかし一度しっかり乾燥させた木は、雨で

濡れても表面だけにとどまり、すぐ乾くため

全く問題はありません。

但し、ツバイフォーのように屋根ができるまでに

23週間かかるような作り方の場合は、建てる

時期に気を付けたいですね。大切なのは

「木の特性を理解し、正しく管理しながら

建てていくこと」ですかね。安心して家づくりを

進めていただければと思います。





 
 
 
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに

アドバイスをもらいながら進めて

納得した家づくりを実現して下さい。

この情報が皆様の役に立てば幸いです。




 
次回は「浴室乾燥機や給湯器のリモコンに表示

される点検のお知らせをどうしたらいいのか」

という質問をよく頂くので

【浴室乾燥機や給湯器の点検お知らせ】

について書きたいと思います。




 
長い文章を最後まで読んで頂きありがとう

ございました。YouTubeでも様々な情報を

配信していますのでそちらもご覧ください。



  
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
    能見太郎

能見工務店自己紹介!

私たちの家づくりを支える「人」と「想い」をご紹介します。

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