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C値が低いと凄いとは限らない説
2025年10月08日
こんにちは、能見工務店の能見です。
能見工務店は京都の長岡京市で木と自然素材を
ふんだんに使い高気密高断熱で高性能な家を
建てています。よろしくお願いします。
情報が溢れる中、発信されている情報は配信者の
思惑が入って発信されています。ちなみにこの
ブログは自然素材と高性能住宅を大切にしている
能見の視点で、家づくりに役立つ情報をお届け
しています。このブログも例外ではありませんが
そういう見方もあるんだな、と参考にして下さい。
最近、お客様から
「C値はどのくらいで建築できますか?」とよく
質問されます。気密に対する関心をお持ちの方が
増えたなと思う瞬間です。但し、数値が低ければ
よいというわけではないということで、今日は、
【C値が低いと凄いとは限らない説】
について書きたいと思います。
C値とは住宅の「気密性能」を表す数値です。
家全体の隙間面積を延べ床面積で割った値が
C値(㎠/㎡)になります。数字が小さいほど
家の隙間が少なくなります。外気の侵入や室内の
空気漏れが減るため、結果として気密性が
高い家というわけです。ところが、ここで
少し誤解が生まれやすいのです。
C値が低い=隙間が少ない=良い家とは
必ずしも言い切れないのです。なぜなら、C値は
「延べ床面積あたりの隙間量」を示す値なのです。
「ん?????」と思う方が多いと思いますので
弊社の過去の物件をもとにもう少し具体的に
説明していきます。過去に
物件①:C値0.15 延べ床面積137.5㎡
物件②:C値0.16 延べ床面積267.42㎡
の物件がありました。一見すると、0.15の方が
「気密が高い」と感じるかもしれません。でも、
実際には延べ床が倍近い後者の方が、家全体の
隙間総量はむしろ少ないのです。C値は
「隙間の総面積÷延べ床面積」で算出されると
先ほど説明しました。
物件①の隙間総面積は、
137.5㎡ × 0.15㎠/㎡ = 約20.6㎠
で名刺1/8枚ほどに対し
物件②の隙間総面積は、
267.42㎡ × 0.16㎠/㎡ = 約42.8㎠
で名刺約1/4枚ほどでどちらの家も超高気密。
ただし、厳密にいうと物件②の「0.16」の方が
数値上はわずかに劣りますが家の大きさが約2倍
あるため、施工面積が広くなってもこの気密が
維持できているのはむしろ非常に高い精度だと
いえます。つまり、C値は家の規模に左右される
相対的な数値であり、単純に「0.1台だから凄い」
「0.3だから悪い」とは言えないんです。
弊社が大切にしているのはC値そのものではなく
その中身で数値を小さくすることが目的ではなく
「どこにどんな隙間ができやすいのか」を把握し
隙間を埋め、また次の施工精度に反映させること
こそが本当の意味での“高気密”だと考えています。
現場で気密測定を行うと、配管まわりやサッシ廻り
など、目では見えない小さな漏気ポイントが浮かび
上がります。それを一つずつ確実に塞ぐ作業が、
数値以上に重要です。たまに、サッシ組み立ての
際のパッキンの取付が悪く、ガラスと枠の取り
合いから空気が入ってくる場合もありました。
またC値がどんなに良くても、断熱性能(UA値)
や日射取得・遮蔽計画、換気設計が不十分なら、
実際の快適性は得られません。なので断熱と気密
のバランスをとった設計をして貰いましょう。
参考までに、弊社は家全体の隙間を25㎠までに
抑えることを目標にしています。
一つの基準として、
25㎠÷延べ床面積=能見工務店の理想C値
【結論】C値で気密性能を判断するな!!
C値は“家の性能そのもの”を示す数字ではなく
施工の丁寧さを映す鏡のようなもの。数字を追う
のではなく、その数値を安定して再現できる
現場の確かさと、断熱・換気まで含めた総合設計
が本当に快適で省エネな住まいをつくります!!
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに
アドバイスをもらいながら進めて
納得した家づくりを実現して下さい。
この情報が皆様の役に立てば幸いです。
次回は
【家の費用の内訳】
について書きたいと思います。
長い文章を最後まで読んで頂きありがとう
ございました。YouTubeでも様々な情報を
配信していますのでそちらもご覧ください。
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
能見太郎
能見工務店の自己紹介!
私たちの家づくりを支える「人」と「想い」をご紹介します。