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色んな白蟻対策
2024年11月13日
こんにちは、京都の長岡京市で
自然素材と高気密高断熱の家を建てている
能見工務店の能見です。よろしくお願いします。
情報過多の中、様々な情報が溢れかえって
います。発信される情報というのは、
なにかしら配信者の思惑が入って発信されます。
こないだお客様から白蟻対策についてご質問を
頂いたので少し季節外れですが今日は
【色んな白蟻対策】
について書きたいと思います。
シロアリは4~6月に一番活発になります。
新しいコロニーをつくるために羽が生えて飛び
立つのもこの時期になります。但し、シロアリは
年中活動しています。シロアリ被害に遭わない
ためにはどうしたらいいのか。新築住宅や中古
住宅で対策は違うのか。などどのような対策が
あるのかを説明したいと思います。
シロアリ対策の基本は、シロアリが好む環境を
つくらないことが第一です。床下が湿気ている
家の近くにものをたくさん置いている、雨水が
どこからか侵入してて木が湿っている、タイルの
浴槽があるなどです。シロアリは水分の多い所や
湿気の多い所が大好きです。また、堅い広葉樹
より柔らかい針葉樹を好みます。主に松、杉、
米松、ホワイトウッド、SPF材などが挙げられ
ます。余談ですがホワイトウッドやSPF材は
前回の話にも出てきたツーバイフォーの材として
使用されています。その反対に香りのきつい桧や
ヒバは同じ針葉樹でもシロアリは嫌います。
だから昔から家の土台には桧やヒバが使われて
来たのです。
この様にまずは環境をつくった上でシロアリが
寄り付かない対策を講じていく必要があります。
主にシロアリ対策には
①注入土台の使用
②薬剤散布
③ホウ酸散布
④基礎パッキン工法
の4種類があります。
①注入土台というのはローラーに付けられた
やすりのような刃物で土台に小さなひっかき傷を
つけて、その傷から薬剤を内部まで浸透させる
という防腐防蟻処理をした土台や薬剤を加圧注入
した土台になります。木材腐朽菌やキクイムシ、
シロアリに効果があります。見た目の違いは、
表面に薬剤をしみこませる穴が沢山開いていたり
薬剤の色の緑色や赤色をしたものがあります。
施工者の目線でいうと、薬剤が注入してあるので
土台は薬剤でボトボトでとても重たく乾燥させて
いない木材みたいな感じです。薬剤が沢山しみ
込んでいて素手で触ると手がヒリヒリします。
大工としては触りたいと思わない材料ですが
“腐らなくてシロアリに食べられない”
という謳い文句で良く広告を見かけます。
②薬剤散布の場合は、薬剤にも色んな種類が
あると思うのですが、うちが使用しているのは
ハチクサンという薬剤です。新築の場合、建築
基準法で地面から1m以内の部分に防蟻処理を
施す決まりがあるので、薬剤注入した土台を
使用した場合でも実は1mまでの高さは何かしら
消毒をしなければならないことになっています。
昔の消毒はヒ素が使用されていてきつかったので
10年の保証だったのですが、最近はそこまで
きつい薬剤が使用できなくなったこともあり
保証は5年程度になっています。薬剤のいい所は
シロアリが薬剤に触れると確実に駆除ができる
ことです。特に、中古住宅や実際に白蟻が発生
している場合は特に有効的な対策になります。
③ホウ酸は基本水に一度散布すると一生涯
持ちます。但し施工中に雨が降って水がかかると
流れてしまうので扱いが難しくホウ酸を散布した
後は、雨がかからなくなるまでしっかり雨養生を
してやる必要があります。ホウ酸は、人体には
ほとんど害がないのに対し腎臓を持たない
シロアリやゴキブリなどに効果てきめんです。
腎臓が無いため細胞内に溜まったホウ酸を排出
できず餓死してしまうみたいです。一つ注意
したいのが、ホウ酸は半永久的に効果があると
メリットが先行している部分がありますが、
即効性がないため効果が出るまでに時間がかかり
ます。また、シロアリを完全に駆除をすることが
できないので新築などのシロアリ予防としての
対策が特に有効的になります。
④基礎パッキン工法というのは、基礎パッキン
という樹脂の通気部材を土台の下に入れることで
床下に空気を入れて換気する方法です。実は
コンクリートは湿気を呼びます。なのでこの
基礎パッキンでコンクリートと木を離したり、
床下を効率よく換気ができる状況をつくることは
とても理にかなっていると言えます。その事も
ありこの基礎パッキン工法で施工をすると薬剤を
注入したり、土台や柱に薬剤を散布しなくても
建材メーカーが10年間1000万円までの保証を
してくれるというほど自信がある方法なのです。
結局、この①注入土台②薬剤散布③ホウ酸散布
④基礎パッキン工法4種類の何を使えばいいのか
という話ですが、職人目線で書かせて頂くと
①の注入土台は薬剤まみれなので触りたくないし
使いたくないです。最近、高気密高断熱の家が
増えよく聞く全館空調や床下エアコンなどを
使用する場合は②の薬剤は揮発するので③ホウ酸
散布か④基礎パッキン工法がおススメです。
結論:新築住宅はホウ酸!中古住宅は薬剤散布!
住む家や家の性能に合わせて②~④の対策を
上手に組み合わせて選ぼう!!
そもそもシロアリは自然界でとても重要な役割を
担ってます。枯れ木や落ち葉を分解して土にして
くれているのです。見た目によらないものですね。
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに
アドバイスをもらいながら進めて
後悔しない家づくりを実現して下さい。
この情報が皆様の役に立てば幸いです。
次回は
【2025年からの省エネ基準】
について書きたいと思います。
長い文章を最後まで読んで頂き
ありがとうございました。
今年も残り49日。頑張っていきましょう。
YouTubeでも様々な情報を配信もしていますので
そちらも機会があればご覧ください。
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
能見太郎